社内恋愛狂想曲
法に触れるようなことをする気はないけれど、せめて私を裏切り傷付けた分くらいは、護にもつらい思いをしてもらわないと気が済まない。

そのためにはまず何から始めようか。

東の空が白み始める頃、そんなことを考えながら床についた。

そして一眠りして少しは冷静になった今、気が変わらないうちに誰かに決意表明をしておきたいけれど、私と護が付き合っていることを知っている人なんて限られているし、せっかくの休日にわざわざ知らせるほどのことでもない気がする。

本当は今すぐ話したくてウズウズするけど、休み明けに会社で顔を合わせた時にでも話すとしよう。

そんなことを考えながら食パンをトースターに入れてタイマーを回し、目玉焼きでも焼こうかと冷蔵庫から卵を取り出そうとしたけれど、洗い物が増えるのが面倒なのでやめて、代わりにハムとチーズを取り出す。

護と一緒に食事をするときはいつも、メインの料理以外にもサイドディッシュとか、スープとかサラダとか、それなりの品数を用意した。

護はきっと私のことを、料理を作るのがすごく好きで得意だからテーブルいっぱいに料理が並ぶのが当たり前のように思っているだろうけど、それは大きな勘違いというものだ。

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