社内恋愛狂想曲
甘いものを食べると脳内のネジか何かがゆるむのか、難しいことはどうでも良くなるような気がする。
私も奥田さんも脇目も振らず無言で食べ進め、最後の一口をじっくり味わった後でうっとりとため息をついて手をあわせた。
「スイーツ食べてる時って、至福の時ですよねぇ」
「確かにそうかも」
甘くて美味しいものを食べてせっかく幸せな気持ちになってるんだから、面倒で苦い恋の経験談なんてもういいかなと思ったりもする。
だけど奥田さんはストレートの紅茶で甘いタルトの余韻をすすぎ、ティーポットからぬるくなった紅茶をカップに注いで、続きを話す気満々らしい。
しかたないので私もカップに残っていたコーヒーを飲み干し、おかわりを注文した。
「それで……なんだっけ、いつも2番目になっちゃうんだったよね?最初に言ってた好きな人もそうなの?」
「私はすごく好きなんですけど……その人には彼女がいるんです」
居酒屋で一緒に飲んだときもカフェで話したときも、彼女がいるなんて一言も言わなかったけど、瀧内くんにも彼女がいるんだ。
クールな瀧内くんも彼女には甘えたり甘くなったりするんだろうか、やっぱり想像がつかない。
私も奥田さんも脇目も振らず無言で食べ進め、最後の一口をじっくり味わった後でうっとりとため息をついて手をあわせた。
「スイーツ食べてる時って、至福の時ですよねぇ」
「確かにそうかも」
甘くて美味しいものを食べてせっかく幸せな気持ちになってるんだから、面倒で苦い恋の経験談なんてもういいかなと思ったりもする。
だけど奥田さんはストレートの紅茶で甘いタルトの余韻をすすぎ、ティーポットからぬるくなった紅茶をカップに注いで、続きを話す気満々らしい。
しかたないので私もカップに残っていたコーヒーを飲み干し、おかわりを注文した。
「それで……なんだっけ、いつも2番目になっちゃうんだったよね?最初に言ってた好きな人もそうなの?」
「私はすごく好きなんですけど……その人には彼女がいるんです」
居酒屋で一緒に飲んだときもカフェで話したときも、彼女がいるなんて一言も言わなかったけど、瀧内くんにも彼女がいるんだ。
クールな瀧内くんも彼女には甘えたり甘くなったりするんだろうか、やっぱり想像がつかない。