社内恋愛狂想曲
どれだけ考えても答は何一つ見つけ出せないまま、自宅の最寄り駅で電車を降りた。
自動改札機の手前まで来たとき、手に持っていたはずの切符がないことに気付き、慌ててポケットを探ったけれど、ポケットの中にはハンカチしか入っていない。
改札機へと流れる人の波からなんとか抜け出し、バッグの中や財布の中を探してみても、どこかで落としてしまったのか、切符はどこにも見当たらない。
仕方がないので肩を落として改札口にいる駅員のところに行こうとしたとき、後ろから肩を叩かれ振り返ると、その人は呆れた顔をして切符を差し出した。
「瀧内くん……」
「やっぱり佐野主任でしたか……。これ、落としたでしょう?」
「あっ……うん、ありがとう」
私が切符を受け取ると、瀧内くんはさっさと改札機に向かって歩き出した。
今に始まったことでもないけれど、本当に愛想のない子だ。
これで営業が務まるのかと思うけど、務まるどころか成績もいい方だというのだから不思議でしょうがない。
それだけオンとオフの切り替えがうまいということだろうか。
自動改札機の手前まで来たとき、手に持っていたはずの切符がないことに気付き、慌ててポケットを探ったけれど、ポケットの中にはハンカチしか入っていない。
改札機へと流れる人の波からなんとか抜け出し、バッグの中や財布の中を探してみても、どこかで落としてしまったのか、切符はどこにも見当たらない。
仕方がないので肩を落として改札口にいる駅員のところに行こうとしたとき、後ろから肩を叩かれ振り返ると、その人は呆れた顔をして切符を差し出した。
「瀧内くん……」
「やっぱり佐野主任でしたか……。これ、落としたでしょう?」
「あっ……うん、ありがとう」
私が切符を受け取ると、瀧内くんはさっさと改札機に向かって歩き出した。
今に始まったことでもないけれど、本当に愛想のない子だ。
これで営業が務まるのかと思うけど、務まるどころか成績もいい方だというのだから不思議でしょうがない。
それだけオンとオフの切り替えがうまいということだろうか。