社内恋愛狂想曲
奥田さんとの会話の一部始終を事細かに話すと、瀧内くんは顎に手を当てて考えるそぶりを見せ始め、次第に表情が険しくなった。

『奥田さんのことは生理的に受け付けない』と言い切る瀧内くんには、話だけでも不愉快だろうか。

「思ってたより悪い子じゃなかったというか、私も奥田さんのこと誤解してたかも 」

感じたまま素直にそう言うと、瀧内くんは大きなため息をついて舌打ちをした。

「ホントにチョロいなぁ……だから浮気されるんだよ……」

「え?!」

瀧内くんの口から、瀧内くんのものとは思えない言葉が発せられたような気がするのは私の気のせいなのか、それとも空耳か?

「えーっと……今何か言った?」

「チョロいって言ったんです。完全に騙されてるじゃないですか」

えっ?私、騙されてるの?!

とても嘘を言っているようには見えなかったのに?

「佐野主任は橋口先輩と奥田さんの関係を知らないふりして話を聞き出して、手のひらの上で転がしたつもりかも知れませんけどね、転がされたのは佐野主任の方ですよ」

「……どういうこと?」

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