社内恋愛狂想曲
トレイの上に食券を乗せて待ち、厨房のおばちゃんが作ってくれた料理を持って席を探していると、食べ終わるのが早い男性社員が席を立ち始めたのですぐに座ることができた。
席について食べ始めても、葉月は心ここに在らずといった様子で、もしかして別人なんじゃないかと思うほど口数が少ない。
いつものように他愛ないことを話しかけてみたけれどろくに耳に入っていないようで、生返事しか返ってこない。
私がオムライスを食べ終わる頃になっても、葉月のラーメン鉢の中にはすっかり延びてしまった中華そばが半分ほども残っていた。
やはり何かおかしい。
悩みごとでもあるんだろうか。
「葉月……大丈夫?」
どこを見ているのか意識も遠くをさまよっているような葉月を黙って見ていられなくなって堪らず声をかけると、葉月はやっと焦点の定まった目で私の方を見た。
「……何が?」
「何が?じゃないよ。今日の葉月は明らかにおかしいから!」
「そんなことないわ。ちょっと考え事してただけや」
葉月はそう言って、なんでもない風を装い残っていた麺を思い切り箸ではさんで口に入れた。
しかし延びきった麺はよほどまずかったのか、険しい顔で口の中の麺を水で一気に流し込んで箸を置いた。
席について食べ始めても、葉月は心ここに在らずといった様子で、もしかして別人なんじゃないかと思うほど口数が少ない。
いつものように他愛ないことを話しかけてみたけれどろくに耳に入っていないようで、生返事しか返ってこない。
私がオムライスを食べ終わる頃になっても、葉月のラーメン鉢の中にはすっかり延びてしまった中華そばが半分ほども残っていた。
やはり何かおかしい。
悩みごとでもあるんだろうか。
「葉月……大丈夫?」
どこを見ているのか意識も遠くをさまよっているような葉月を黙って見ていられなくなって堪らず声をかけると、葉月はやっと焦点の定まった目で私の方を見た。
「……何が?」
「何が?じゃないよ。今日の葉月は明らかにおかしいから!」
「そんなことないわ。ちょっと考え事してただけや」
葉月はそう言って、なんでもない風を装い残っていた麺を思い切り箸ではさんで口に入れた。
しかし延びきった麺はよほどまずかったのか、険しい顔で口の中の麺を水で一気に流し込んで箸を置いた。