社内恋愛狂想曲
「悩みでもあるの?私だって聞くくらいはできるよ?」
「私のことより、志織こそ悩んでるんとちゃうの」
「私はもう別れる決心はついたから。あとはどうやって切り出すかだけ」
私があまりにもあっさりそう言ったからか、葉月は少し意外そうな顔をした。
いつもの葉月なら、そんなに簡単に決意が翻るなんて週末に何が起こったのかと聞きそうなものなのに、そんな余裕もないのか何も聞かなかった。
「そうなんや……。でもとりあえず会社ではちょっと話しづらいな、時間もないし」
「じゃあ……仕事の後で食事でもしながら話そうか。予定は大丈夫?」
「うん。じゃあ仕事終わったら自販機のとこで」
昼休みが終わる10分ほど前に食器を下げて社員食堂を出た。
それぞれの部署に戻る途中、営業部のすぐそばまで来たときに葉月が「ああ、忘れてたわ」と呟いて、私に紙切れを差し出した。
「何これ?」
「伊藤から預かったの忘れてた」
受け取った紙切れを開いてみると、携帯の電話番号とメールアドレスが書かれていた。
冗談でも一緒に住もうとか結婚しようとか言ってくるわりには、なんとなくだけどとても事務的な気がする。
「私のことより、志織こそ悩んでるんとちゃうの」
「私はもう別れる決心はついたから。あとはどうやって切り出すかだけ」
私があまりにもあっさりそう言ったからか、葉月は少し意外そうな顔をした。
いつもの葉月なら、そんなに簡単に決意が翻るなんて週末に何が起こったのかと聞きそうなものなのに、そんな余裕もないのか何も聞かなかった。
「そうなんや……。でもとりあえず会社ではちょっと話しづらいな、時間もないし」
「じゃあ……仕事の後で食事でもしながら話そうか。予定は大丈夫?」
「うん。じゃあ仕事終わったら自販機のとこで」
昼休みが終わる10分ほど前に食器を下げて社員食堂を出た。
それぞれの部署に戻る途中、営業部のすぐそばまで来たときに葉月が「ああ、忘れてたわ」と呟いて、私に紙切れを差し出した。
「何これ?」
「伊藤から預かったの忘れてた」
受け取った紙切れを開いてみると、携帯の電話番号とメールアドレスが書かれていた。
冗談でも一緒に住もうとか結婚しようとか言ってくるわりには、なんとなくだけどとても事務的な気がする。