社内恋愛狂想曲
「や……!痛いよ、離して!」

「離さない。志織は俺のものだ。他の男になんか絶対に渡さない」

護は嫉妬心と独占欲を剥き出しにして私の体を強く押さえ付ける。

今まで見たことのない護の姿に言い様のない恐怖心を抱くと同時に、自分の浮気は棚に上げて私を疑う護に怒りが沸々と込み上げた。

私の体になんか興味ないくせに、 護の手は私の服をたくしあげ、肌をまさぐり始める。

私に覆い被さっている護の首筋からは、私のものではない甘い匂いがした。

ずっと待ってたなんて言っていたけど、奥田さんのところへ行ってからここへきたのがバレバレだ。

奥田さんの体で散々性欲を満たして来たはずだから、用があるのは私の体じゃなくて、私の作ったごはんでしょ?

馬鹿らしくて言い訳をする気力も失せた。

されるがままになってまた体の相性の善し悪しを比べられるのもシャクだから、思い切り身をよじって抵抗してみる。

「私がいつ浮気したって?急用ができたけど仕事が忙しくて連絡しそびれたって言ったでしょ?それは私が悪かったから謝った。それでもまだ疑うの?」

< 201 / 1,001 >

この作品をシェア

pagetop