社内恋愛狂想曲
「……あの車の男は?」

三島課長と言うと葉月のことも話さなきゃいけなくなるし、話が長くなるので面倒だ。

ここは適当に話を作っておこう。

「今日は葉月と一緒だったの。前から相談したいことがあるって言われてて、話し込んで遅くなったから葉月が友達に頼んで迎えに来てもらったの。言っとくけど私ひとりじゃないし、送ってもらったからって何もないからね」

半分本当で半分は嘘のような話になってしまったけど、この際言い訳はこれでじゅうぶんだろう。

なんにせよ、この状況と体勢から早く抜け出したい。

語気を強めて説明すると、私にやましいことはないと伝わったのか、護はすんなりと信じたようだ。

「そっか……疑ってごめん。でも……久しぶりに志織としたい。このまましていい?」

別の女としてきた男となんか、絶対、絶対、絶対イヤだ!と心の中で叫んで断固拒否する。

私とは長い間してなくても、体の相性抜群のマミちゃんと毎日のようにしてるんだから、わざわざ満足できない私となんかしなくたっていいじゃないか。

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