社内恋愛狂想曲
普通はこれくらいの歳なら、自分と同じくらいか若くてかわいい子に興味がいきそうだけど、それが言えるということは、この若さでもかなりの恋愛経験を積んでいるんじゃないだろうか?

それとも以前に若い女の子と付き合ってひどい目にあって、何か特別な思い入れとかトラウマみたいなものでもあるのかも知れない。

「瀧内くんって、若いのに渋いこと言うね」

「もっと言うと、理想のタイプは木村先輩と佐野主任を足して2で割って、プラスアルファって感じの女性です」

私と葉月は顔を見合わせて思いきり首をかしげ、例えがあまりにもおかしくて笑ってしまった。

「なんやそれ?」

「わかりにくっ……」

私たちが笑っている中、伊藤くんだけがただただ怪訝な顔をして瀧内くんを見ている。

「そうですか?一途で健気で、二人ともかわいいと思いますよ」

その言葉はいつになく優しく微笑んだ瀧内くんの口から、あまりにもさらりと発せられた。

私と葉月は不意打ちを食らって胸を押さえ、今にもキュン死にしてしまいそうになっている。

「かっ……」

「かわ……いい……?!」

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