社内恋愛狂想曲
新しい情報と言えば、自称花嫁候補の女の子の名前は“モナちゃん”ということくらいだ。
もう一度改めて聞いてみると、三島課長がなぜそんなにかたくなに交際の申し込みやお見合いを断るのか、そして瀧内くんがなぜ三島課長に荷担するのかが気になった。
「昨日瀧内くんが帰ったあと、 三島課長から偽婚約者の件は気にしないでいいって言われたんだけど……」
「佐野主任には彼氏がいるから申し訳ないとでも思ってるんでしょうね。その彼氏がどうしようもない浮気者で、佐野主任がもう別れるつもりでいるって知ったら、もしかすると……」
「もしかするかも、っていうことやなっ?」
葉月の反応が気持ちいいのか、瀧内くんはいつもより口角を上げてニヤリと笑ってうなずいた。
この二人は案外いいコンビなのかも知れない。
「佐野主任も次の練習日から参加することになったので、仲のいいところを見せれば説得力があるんじゃないかと思うんですけど、どうです?」
どうです?と聞かれても、三島課長本人がいないのに勝手には決められない。
たとえフリだけとはいえ人前で婚約者を名乗るのだから、その場はしのげたとしてもその後に何かしら面倒なことがあったりはしないだろうか。
それになんと言っても、こんな大きな嘘は私には荷が重すぎる。
もう一度改めて聞いてみると、三島課長がなぜそんなにかたくなに交際の申し込みやお見合いを断るのか、そして瀧内くんがなぜ三島課長に荷担するのかが気になった。
「昨日瀧内くんが帰ったあと、 三島課長から偽婚約者の件は気にしないでいいって言われたんだけど……」
「佐野主任には彼氏がいるから申し訳ないとでも思ってるんでしょうね。その彼氏がどうしようもない浮気者で、佐野主任がもう別れるつもりでいるって知ったら、もしかすると……」
「もしかするかも、っていうことやなっ?」
葉月の反応が気持ちいいのか、瀧内くんはいつもより口角を上げてニヤリと笑ってうなずいた。
この二人は案外いいコンビなのかも知れない。
「佐野主任も次の練習日から参加することになったので、仲のいいところを見せれば説得力があるんじゃないかと思うんですけど、どうです?」
どうです?と聞かれても、三島課長本人がいないのに勝手には決められない。
たとえフリだけとはいえ人前で婚約者を名乗るのだから、その場はしのげたとしてもその後に何かしら面倒なことがあったりはしないだろうか。
それになんと言っても、こんな大きな嘘は私には荷が重すぎる。