社内恋愛狂想曲
普段は夜の公園なんて暗くて怖いから立ち寄らないけど、自販機で飲み物を買って三島課長と一緒に公園の中ほどにあるベンチに腰掛けた。

冷たいお茶を喉に流し込むと、なんだかちょっと生き返ったような気分だ。

「今日はよく歩いたな。疲れただろ?」

「普段はこんなに歩くことがないですもんね。でもすごく楽しかったです」

「そうか?それなら良かった」

三島課長は楽しそうに笑いながら缶コーヒーを飲む。

「でも帰りの電車はすごかったですね。私に体重かけられて、潤さんは大変だったでしょう?」

「いや?あれくらいはなんともない。さっきも言ったけど、俺はバレーやったりジムなんかにも行ってそれなりに鍛えてるから、体力には結構自信あるよ」

電車の中ではあまりの息苦しさに朦朧としていたけれど、潤さんが鍛えられて引き締まった体をしているのは服の上からでもわかった。

それと同時に、ずっと抱きしめられたような状態だったことまで思い出し、思わず赤面してしまう。

そういえば私が営業部にいたときには、よくふざけてヘッドロックなんかされて、じゃれていたこともあったっけ。

あのときは三島課長とどれだけ密着してもなんとも思っていなかったのに、どうして今になって急に恥ずかしくなるなんだろう?

これは今まで知らなかった三島課長に垣間見たイケメンフィルターのせいなのか……?



< 355 / 1,001 >

この作品をシェア

pagetop