社内恋愛狂想曲
カオス
それから三島課長の車で送ってもらい、伊藤くんと葉月は伊藤くんのマンションで二人一緒に車を降りた。

「次は玲司の家だな」

三島課長が瀧内くんの家に向かって車を走らせている途中で、私はもうすぐシャンプーがなくなりそうだったことを思い出した。

明日からはまた仕事だし、今日のうちにシャンプー以外にも食料品などの買い物をしておきたい。

「潤さん、私買い物に行きたいので、駅前で降ろしてもらえますか」

「買い物するなら付き合おうか?荷物持って歩くの大変だろ?」

確かに駅前のスーパーから自宅までは少し距離があるけれど、いくら三島課長が底抜けに優しくても、さすがにそこまで甘えるわけにはいかない。

せっかくの気遣いだけど丁重にお断りすることにした。

「ありがとうございます。でもそんなにたくさんは買わないので大丈夫です、駅前で降ろしていただけたら」

「そうか……」

三島課長が小さく返事をすると、いつもの席で窓の外を眺めていた瀧内くんが振り返る。

「潤さん、僕も明日の朝食買って帰るから、志織さんと一緒に駅前で降ろして」



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