社内恋愛狂想曲
三島課長にお礼を言って駅前で車を降りた私と瀧内くんは、一緒にスーパーへ向かった。

「瀧内くんも自炊するの?」

「全然しません。朝はパンとコーヒーくらいで簡単に済ませます。夜は潤さんに食べさせてもらうか、それ以外の日は外食か弁当ですね」

「そっか、料理はしないって言ってたもんね」

スーパーに着いてカートを押しながら適当な食材をかごに入れていると、瀧内くんはかごも持たずに私の隣を歩く。

一応買い物に付き合ってくれているらしい。

私が野菜売り場で立ち止まってキャベツを選んでいると、瀧内くんが目の前にあったキャベツを手に取り、勝手に私のかごの中に放り込んだ。

「まだ選んでるのに……」

「大きくてきれいだからそれでいいでしょう。それより、昨日のデートは楽しかったですか?」

突然昨日のことを尋ねられ、ビックリして手に持っていたキャベツを落としそうになった。

「あ……昨日ね。うん、楽しかったよ。ディナーもすごく美味しかった。ありがとう」

「ホントに?」

「ホントだって。ずっと行ってみたかったんだ、シーサイドガーデン。夜景もすごくきれいだったよ」

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