社内恋愛狂想曲
買い物を済ませた後、瀧内くんとは駅前で別れた。

家に帰ってシャワーで汗を流した後、洗濯物を仕分けて洗濯機に放り込み、スタートボタンを押す。

ここ数日留守にしていたこともあって、いつもより洗濯物の量が多い。

洗剤と柔軟剤を投入して、洗濯が終わるまでは筋肉痛の体をベッドに投げ出し、ぼんやりとして過ごした。

護を痛い目にあわせてやろうと意気込んでいたけど、具体的にどうするのかはまだ何も思いつかない。

数学の問題なんかとは違って明確な答えがあるわけじゃないから余計に難しい。

「どうしようかなぁ……」

ひとりごとを言いながら寝返りを打つと、疲れた筋肉が悲鳴をあげるように、体のあちこちが軋む。

そういえば今日はゆっくりお風呂に浸かってストレッチをしてから寝るようにと、三島課長から言われていたんだった。

今夜は湯船に取って置きの入浴剤でも入れて、ちょっとした贅沢にひたろう。


筋肉痛に耐えながらなんとか洗濯物を干し終えると同時にテーブルの上でスマホが鳴った。

スマホの画面に表示されていた発信者名は母だった。

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