社内恋愛狂想曲
収穫祭
翌日もいくつも抱え込んだ仕事に追われ、他のことは考えられないほど忙しく過ごした。
私がパソコンに向かって新商品のデータを確認していると、有田課長が奥田さんを名指しで自席に呼びつけた。
「奥田さん、このデータ間違いだらけだよ。ちゃんと確認した?」
奥田さんは自分が入力したデータの内容をその場で確認して初めてミスの多さに気付いたようだ。
恋愛観とか男癖の悪さはどうかと思うけど、仕事だけは人よりできる奥田さんが、初歩的なミスをした上にそれに気付かないなんて珍しい。
「申し訳ありません、すぐに直します」
「できるだけ急いで、今度は間違えないようにきっちり頼むよ」
「はい」
よく見ると奥田さんの指にはいくつもの絆創膏が巻かれていて、なんだか痛々しい。
もしかしたら指先のケガが気になって集中できなかったのかも知れないけれど、私も人の仕事まで引き受けるほどの余裕はないから、奥田さんには自力で頑張ってもらうしかなさそうだ。
お昼休みになると、みんなが昼食をとるために社員食堂や外の飲食店などへ行くので、あっという間に人の出払ったオフィスには奥田さんと私だけが残った。
私がパソコンに向かって新商品のデータを確認していると、有田課長が奥田さんを名指しで自席に呼びつけた。
「奥田さん、このデータ間違いだらけだよ。ちゃんと確認した?」
奥田さんは自分が入力したデータの内容をその場で確認して初めてミスの多さに気付いたようだ。
恋愛観とか男癖の悪さはどうかと思うけど、仕事だけは人よりできる奥田さんが、初歩的なミスをした上にそれに気付かないなんて珍しい。
「申し訳ありません、すぐに直します」
「できるだけ急いで、今度は間違えないようにきっちり頼むよ」
「はい」
よく見ると奥田さんの指にはいくつもの絆創膏が巻かれていて、なんだか痛々しい。
もしかしたら指先のケガが気になって集中できなかったのかも知れないけれど、私も人の仕事まで引き受けるほどの余裕はないから、奥田さんには自力で頑張ってもらうしかなさそうだ。
お昼休みになると、みんなが昼食をとるために社員食堂や外の飲食店などへ行くので、あっという間に人の出払ったオフィスには奥田さんと私だけが残った。