社内恋愛狂想曲
そんなことを考えているうちに、車はマンションのすぐそばまで戻ってきた。
さっきから口の中で、“お土産のお礼に晩御飯でもいかがですか”と何度くりかえしたことだろう。
食事に誘うことなんて、会社の同僚以上に思っていなかったときには簡単にできたはずなのに、好きだと自覚してしまったからか、緊張しすぎてなかなかその言葉が出てこない。
ぐるぐると思いを巡らせていると、いつものように三島課長がマンションの駐車場に車を停めて私の方を見た。
「あ……あの……」
意を決してなんとか声を絞り出した瞬間、三島課長のジャージのポケットの中でスマホが鳴った。
「うん?どうした?」
三島課長は着信音を無視して私の話を聞いてくれようとしたけれど、私はどうしても鳴り続ける着信音が気になってしまう。
「……電話ですね」
「いいよ、別に。それより志織の話の方が……」
鳴り続けていた着信音が途切れたので、気を取り直して今度こそはと気合いを入れる。
「それじゃあ、えーっと……この間はお土産ありがとうございました」
「ああ……うん、どういたしまして。気に入ってもらえた?」
「はい、どれもいただいて嬉しいものばかりで……。それで、あの……今夜……」
さっきから口の中で、“お土産のお礼に晩御飯でもいかがですか”と何度くりかえしたことだろう。
食事に誘うことなんて、会社の同僚以上に思っていなかったときには簡単にできたはずなのに、好きだと自覚してしまったからか、緊張しすぎてなかなかその言葉が出てこない。
ぐるぐると思いを巡らせていると、いつものように三島課長がマンションの駐車場に車を停めて私の方を見た。
「あ……あの……」
意を決してなんとか声を絞り出した瞬間、三島課長のジャージのポケットの中でスマホが鳴った。
「うん?どうした?」
三島課長は着信音を無視して私の話を聞いてくれようとしたけれど、私はどうしても鳴り続ける着信音が気になってしまう。
「……電話ですね」
「いいよ、別に。それより志織の話の方が……」
鳴り続けていた着信音が途切れたので、気を取り直して今度こそはと気合いを入れる。
「それじゃあ、えーっと……この間はお土産ありがとうございました」
「ああ……うん、どういたしまして。気に入ってもらえた?」
「はい、どれもいただいて嬉しいものばかりで……。それで、あの……今夜……」