社内恋愛狂想曲
不戦敗
また月曜の朝がやって来た。
いつもなら目覚めと共に「今週も頑張ろう」と気合いを入れるのに、昨日からずっと三島課長とあの人のことばかり考えて夢にまで出てくる始末で、今朝の目覚めは最悪だった。
三島課長とは部署が違うのだから、広い社内でそうそう顔を合わせることはないだろうけど、もし会ったらどんな顔をすればいいのかと思うと気が重い。
だからと言ってそんな些細なことでこの忙しいときに仕事を休むわけにはいかないし、顔を合わせたとしてもいつも通りに接するしかない。
今日は大規模な人事異動があるので、きっと三島課長も忙しいはずだし、昨日のことなんて気にしている余裕はないだろう。
いつも通りに出社して席に着き、コーヒーを飲みながら仕事の準備をしていると、有田課長が社報の束を手に近付いてきた。
「おはよう、佐野主任」
「おはようございます」
「金曜日の夜のこと、聞いた?」
有田課長は話したくてたまらないという様子でニヤニヤしている。
「いえ……何かあったんですか?」
「営業部の橋口だっけ?取引先の担当者と不倫してたのがバレたらしくて、相手の旦那が会社に乗り込んで来て大暴れしてたんだ」
いつもなら目覚めと共に「今週も頑張ろう」と気合いを入れるのに、昨日からずっと三島課長とあの人のことばかり考えて夢にまで出てくる始末で、今朝の目覚めは最悪だった。
三島課長とは部署が違うのだから、広い社内でそうそう顔を合わせることはないだろうけど、もし会ったらどんな顔をすればいいのかと思うと気が重い。
だからと言ってそんな些細なことでこの忙しいときに仕事を休むわけにはいかないし、顔を合わせたとしてもいつも通りに接するしかない。
今日は大規模な人事異動があるので、きっと三島課長も忙しいはずだし、昨日のことなんて気にしている余裕はないだろう。
いつも通りに出社して席に着き、コーヒーを飲みながら仕事の準備をしていると、有田課長が社報の束を手に近付いてきた。
「おはよう、佐野主任」
「おはようございます」
「金曜日の夜のこと、聞いた?」
有田課長は話したくてたまらないという様子でニヤニヤしている。
「いえ……何かあったんですか?」
「営業部の橋口だっけ?取引先の担当者と不倫してたのがバレたらしくて、相手の旦那が会社に乗り込んで来て大暴れしてたんだ」