社内恋愛狂想曲
だけどそれが三島課長とあの人の仕事なのだし、一社員の私には会社が決定した人事をどうすることもできない。

自分の無力さを痛感しながら、胸に湧き上がるモヤモヤを吐き出すように大きなため息をついて社報を閉じた。


今回の人事異動で、私の所属する生産管理課でも30代前半の二人の中堅社員が支社に異動になり、新たに3人の若手社員が配属された。

異動になった中堅社員の二人は支社で役職に就いたようだ。

私は新たに配属された3人の若手社員の教育係を任されている。

まだ入社1年目から2年目までの3人は、前に所属していた部署では別の課にいたそうで、教えなければいけない仕事は山のようにある。

午前中は研修会を開き、商品管理部の業務内容や生産管理課の仕事の流れなどを説明した。

幸い3人とも真面目に私の話を聞いて、疑問点を積極的に質問をするなど、仕事に対する意欲が見られた。

この調子ならスムーズに教育期間を終えられそうだ。


昼休みになると、慣れない仕事の疲れがどっと押し寄せ、社員食堂に行くのも億劫で、しばらく席に座ったまま動けなかった。

初日からこれではまずい。

いや、初日だからお互いに緊張して疲れるのか?

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