社内恋愛狂想曲
私も自分の部署に戻ると、気のせいではなくやっぱり視線を感じた。

私と有田課長が本当に付き合っているのかが気になるなら、直接聞いてくれればいいのに。

いっそのこと、こちらから行って否定してみようか。

そう思ったけれど、間もなく昼休みが終わる時間なので、私はモヤモヤしながら席に着く。

仕方がない。

今日の歓迎会のときにでも、うまくタイミングを見計らって話しかけることにしよう。


なんとか定時に間に合うように、キリのいいところまで仕事を片付けることができた。

これから三島課長たちの所属する二課と同じ店で開かれる歓迎会に出席しなければならないのだと思うと気が重い。

瀧内くんの企んでいることも、私に関する噂話の出所も気になる。

私と付き合っているという噂がたっていることを知ってか知らずか、有田課長の様子は至っていつも通りだ。

来週もまたヒソヒソと噂されるのは気分が悪いので、歓迎会が終わるまでになんとかタイミングを見計らって、みんなの前で全力で噂を否定しなければ。


会社を出て予約していた居酒屋に向かっている途中で、瀧内くんと伊藤くんに会った。

伊藤くんは私の方を見てニヤニヤしている。

< 548 / 1,001 >

この作品をシェア

pagetop