社内恋愛狂想曲
「それでは佐野主任、早速ですけど……橋口先輩と今日の夜に会う約束をしてください」
眼鏡を押し上げながらそう言うと、さっきのやわらかい笑顔が一転して、いつも通りのクールな瀧内くんに戻った。
まるで別人のようだ。
「えっ?今から?」
「当然です。取り返したいんですよね?金曜の夜ですからね。早めに連絡して約束しないと、また今日も奥田さんのところに行っちゃいますよ。さ、スマホ出して」
「う……うん……」
まさかこんなにすぐに行動に移るとは思っていなかったので、かなりうろたえながらバッグを探り、瀧内くんに言われた通りスマホを取り出す。
急かされながらトークアプリを開き、メッセージを作成しようとして手を止めた。
あれ?私っていつも、護になんて言って会う約束していたんだっけ?
そういえば私からはあまり会いたいと言ったことがなかったような気がする。
その分、護の方から会おうと言って会いに来てくれていたということなのだろう。
最近はまったく連絡がなかったのになぜそれに気付かなかったのか、自分でも不思議だと思う。
眼鏡を押し上げながらそう言うと、さっきのやわらかい笑顔が一転して、いつも通りのクールな瀧内くんに戻った。
まるで別人のようだ。
「えっ?今から?」
「当然です。取り返したいんですよね?金曜の夜ですからね。早めに連絡して約束しないと、また今日も奥田さんのところに行っちゃいますよ。さ、スマホ出して」
「う……うん……」
まさかこんなにすぐに行動に移るとは思っていなかったので、かなりうろたえながらバッグを探り、瀧内くんに言われた通りスマホを取り出す。
急かされながらトークアプリを開き、メッセージを作成しようとして手を止めた。
あれ?私っていつも、護になんて言って会う約束していたんだっけ?
そういえば私からはあまり会いたいと言ったことがなかったような気がする。
その分、護の方から会おうと言って会いに来てくれていたということなのだろう。
最近はまったく連絡がなかったのになぜそれに気付かなかったのか、自分でも不思議だと思う。