社内恋愛狂想曲
「そういうわけだから……仕事は仕方ないから割り切って一緒にするしかないけど、これからはむやみやたらとくっついたり触ったりしないで。好きでもない女性にベタベタ触られるのは吐き気がするほど不愉快だ。それから彼女に嘘をついて俺たちの仲を引き裂こうとするのはやめてくれ。俺はもうあなたのことなんか絶対好きにはならないし、これ以上彼女に余計な心配はかけたくない」
いつもニコニコ笑って優しい口調で話す三島課長が、こんなにハッキリと語気を強めて拒絶する言葉を、私は今まで聞いたことがない。
多少はお酒の力も借りているのだろうけど、三島課長は相当我慢を強いられて限界に来ていたのだと思う。
私が守るつもりが、逆に三島課長に守られてしまった。
だけど一言くらい言ってやらないと気が済まない。
私はしっかりと抱きしめられたまま、三島課長の顔を見上げた。
「潤さん……そんな言い方したらかわいそうよ?下坂課長補佐がね、“私はバツイチだし年齢的にも適当な恋愛をする余裕がない”って言ってたから、優しい潤さんなら昔のことなんか水に流してくれるだろうって、恥を忍んですがり付くしかなかったんだと思うの。“潤さんとよりを戻して結婚する”なんて、見え見えの嘘つかれても私は全然気にしてないから、あんまり怒らないで許してあげて。ね?」
いつもニコニコ笑って優しい口調で話す三島課長が、こんなにハッキリと語気を強めて拒絶する言葉を、私は今まで聞いたことがない。
多少はお酒の力も借りているのだろうけど、三島課長は相当我慢を強いられて限界に来ていたのだと思う。
私が守るつもりが、逆に三島課長に守られてしまった。
だけど一言くらい言ってやらないと気が済まない。
私はしっかりと抱きしめられたまま、三島課長の顔を見上げた。
「潤さん……そんな言い方したらかわいそうよ?下坂課長補佐がね、“私はバツイチだし年齢的にも適当な恋愛をする余裕がない”って言ってたから、優しい潤さんなら昔のことなんか水に流してくれるだろうって、恥を忍んですがり付くしかなかったんだと思うの。“潤さんとよりを戻して結婚する”なんて、見え見えの嘘つかれても私は全然気にしてないから、あんまり怒らないで許してあげて。ね?」