社内恋愛狂想曲
なるほど、そういうものなのか。
さすが経験者の言葉には説得力がある。
きっと母も私を産んで家に帰った後は兄二人と私の世話に手を焼いたのだろう。
「お祝いはまた落ち着いてからでいいから、とりあえず顔見に行っておいで」
今夜は護と会う約束をしているから明日は行けなくても、明後日なら行けるかも知れない。
「じゃあ……できるだけこの土日の間に行くようにする」
大事な用件は聞いたことだし、なんとか昼休み中に電話を終えられるとホッとしたのも束の間、母はまた何を思い出したのか「ああ、それと」と呟いた。
今度はなんだろう?
できれば話は手短にお願いしたい。
「珠理(じゅり)ちゃんが結婚するんだって。結婚式の招待状が来てるよ」
「えっ、珠理が結婚?!」
珠理は父の末弟の末娘で、この春高校を卒業したばかりの18歳だ。
私よりも10歳も歳下の珠理が、まさかアラサーの私を差し置いて結婚するなんて!
いや、私のことはこっちに置いといたとしても、十代で結婚なんてあまりにも早すぎやしないか?
さすが経験者の言葉には説得力がある。
きっと母も私を産んで家に帰った後は兄二人と私の世話に手を焼いたのだろう。
「お祝いはまた落ち着いてからでいいから、とりあえず顔見に行っておいで」
今夜は護と会う約束をしているから明日は行けなくても、明後日なら行けるかも知れない。
「じゃあ……できるだけこの土日の間に行くようにする」
大事な用件は聞いたことだし、なんとか昼休み中に電話を終えられるとホッとしたのも束の間、母はまた何を思い出したのか「ああ、それと」と呟いた。
今度はなんだろう?
できれば話は手短にお願いしたい。
「珠理(じゅり)ちゃんが結婚するんだって。結婚式の招待状が来てるよ」
「えっ、珠理が結婚?!」
珠理は父の末弟の末娘で、この春高校を卒業したばかりの18歳だ。
私よりも10歳も歳下の珠理が、まさかアラサーの私を差し置いて結婚するなんて!
いや、私のことはこっちに置いといたとしても、十代で結婚なんてあまりにも早すぎやしないか?