社内恋愛狂想曲
「しょうがないなぁ……。じゃあ明日の朝早くここを出て、一度家に戻ることにする」

「しょうがないの?」

「しょうがないの、私も潤さんが大好きだから。ホントは今夜も一緒にいたいと思ってる」

潤さんの肩に寄りかかって胸に頬をすり寄せると、潤さんは嬉しそうに笑って私を抱きしめた。

「なんだ……そういう意味か……。俺があんまり好きだって言うからしょうがなく付き合ってくれてるのかと思ってヒヤッとした」

「ごめんなさい、潤さんがあまりにもかわいかったから、つい」

私がそう言うと、潤さんは眉を寄せて首をかしげた。

「かわいい?俺が?」

「そう。甘える潤さんがかわいいなぁと思って」

思ったことを正直に言ったのだけれど、潤さんは不満そうな顔をしてさらに首をかしげる。

「男に“かわいい”は禁句だな」

「誉め言葉ですよ?」

「全然誉め言葉じゃないし、むしろ嬉しくない。二度とかわいいなんて言えないようにしてやる」

潤さんはソファーの上に私を押し倒し、唇や耳や首に何度もキスをしながら、脇腹を思いきりくすぐる。

「ひゃっ!!やめて!くすぐったい!」

「ダメ。俺にかわいいなんて言う悪い子にはお仕置きしないと」

「やだやだ、ダメだってば!」

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