社内恋愛狂想曲
案外ヤキモチ焼きなのか、それともただ私を買い被っているだけなのか?

私はそんなに心配されるほどモテないのに。

「潤さんこそ……そんなに甘い顔、他の人に見せないでね」

「ゆうべも言ったけど、志織だからそうなるんだよ」

「だったら安心かな」

恥ずかしげもなくこんなことを言い合っている私たちは、間違いなくバカップルだと認めざるを得ない。

まさかこの私がこんな風になるとは思ってもみなかった。

そう考えると、ちょっと……いや、かなり恥ずかしい。

「じゃあ……明日の朝は早く起きなきゃいけないし、そろそろお風呂に入って休みましょう」

「一緒に入る?」

「それはまだお断りです」

さすがにまだ一緒にお風呂に入るのは抵抗があるのでキッパリ断ると、潤さんは少し残念そうな顔をした。

ゆうべ私に手を出すことをあんなにためらっていたのはなんだったんだろう?

一度タガが外れてしまえば、どこまでもストレートで激甘だ。

「じゃあ……風呂から上がったら早めにベッドに入ろう」

“早く寝よう”とか、“早めに休もう”という表現ではなかったので、さてはまた飽きもせずに私を食らうつもりなのだなと気付く。

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