社内恋愛狂想曲
「……おとなしく寝るつもりなんてないんでしょ?」

「あ、バレた。でも“続きはあとで”ってさっき約束したし、志織もいいって言ったじゃん」

「そうだけど……ゆうべみたいに朝までとかはナシですよ?」

「うーん……そうだな。明日は大事な日だから、善処する」

この場合の善処するとは……?

いくら体力があるとはいえ、潤さんは疲れを知らないんだろうか。

この疲れ知らずな潤さんについて行けるのか、ほんの少しの不安がよぎる。

「私、潤さんと結婚して体が持つかな?なんか自信なくなってきた」

「……ごめん、これからはちゃんと手加減する」

一応私を気遣うつもりはあるらしい。

潤さんのそれは自分本位なものではないし、私を際限なく愛してくれていることはわかっているから、私だって本当はいやではない。

ただ、翌日の仕事や予定への支障がないかとか、私の体力が持つのかということが心配なのだ。

「まぁ……それも別にいやじゃないから、たまにならいいんだけど……」

「へぇ、たまにならいいんだ。覚えとこ」

潤さんは少しいたずらっぽく笑いながら「風呂の掃除してくる」と言って浴室へ向かった。

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