社内恋愛狂想曲
優しくて仕事ができて、バレーも上手でかっこ良くて、おまけに食事の準備や後片付けにお風呂掃除まで、こちらが頼まなくても家事を難なくこなす潤さんは、結婚すればきっと良き夫になるだろうなと思う。

控えめに言っても私にはもったいないくらいだ。

私の両親が、こんな素敵な人を気に入らないわけがない。

きっとさらに結婚を急かされることになるだろうなと思いながら、空になったコーヒーカップをキッチンに下げて片付けた。


8時半には二人とも入浴が済み、また寝室に戻った。

並んでベッドに入ると、潤さんは私を抱きしめながら、額や頬や唇に何度も優しいキスをする。

「あー、幸せ。ずっとこうしてたい」

「私も」

潤さんの腕の中にいるとあたたかく、とても幸せで、その心地よさにだんだんまぶたが重くなってくる。

「志織、眠くなってきた?」

「うん……」

目をこすりながらうなずくと、潤さんは私の頭を優しく撫でた。

「ちょっと残念だけど……今夜はこのまま休もうか」

「うん……。潤さん……」

「ん?」

私は閉じそうになる重いまぶたをなんとか必死に開き、潤さんの頬に両手を添えてキスをした。

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