社内恋愛狂想曲
定時になって仕事を終えると、潤さんのお見舞いに行くのが最近の私の日課になっている。

今日も病室を訪れると、潤さんはベッドの上で左足のリハビリをしていた。

肋骨の痛みがおさまってきたので、数日前からようやくリハビリを開始して、一日も早く職場とバレーに復帰できるようにと頑張っている。

潤さんは私の顔を見るとリハビリ中の足を休めてニコッと笑った。

「おかえり。お疲れ様」

「ただいま」

私がそばに行くと、潤さんは両手を伸ばして私を抱き寄せ、唇に軽く口付ける。

「今日はひとりなんだな」

「バレーの練習日だからね」

葉月は何度か伊藤くんに付き合ってバレーの見学に行っているうちにメンバーと仲良くなり、最近バレーサークルのマネージャーになった。

練習中には球拾いを手伝ったりもするけれど、主な仕事は施設の管理表を記入したり、チームの日誌をつけるなど、リーダーの渡辺さんがやっていた細かい雑用を任されているらしい。

「俺も早くバレーやりたいなぁ」

「私も」

「でもその前に職場復帰して、松葉杖なしで普通に歩けるようになったら、志織とちゃんとデートしたい。前のデートは恋人のふりだったから」

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