出逢えたのはーーー奇跡。
「透…………?」



私の大切な人。



私の好きな人。


肩から溢れる血が、次第に広まる。


倒れそう………


傷ついたのは貴方で、私じゃないのにーー

凄く痛い。


気づいたら先輩は居なかった。

「透!!!」


私は透を支えた。


「病院、透、痛い?


透…………私ッッ」



私ーーーー貴方に何も出来ない。


私より大きい透を、支えることも出来ない。


「ゆめ……大丈夫だからッッ、離れて。

汚れるから」


本当、いつも、私の心配ばかりーーー。


「大丈夫か、透。

意識あるな。今救急車呼んだから」


それを呆然と見てる浅野修平と、目があった。





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