出逢えたのはーーー奇跡。
運ばれた病院も、暗くて闇の中にいるみたい…ー


手術室に入る透を、見送った。


「透…………どうして」


私は手術室前の椅子に座った。


気力のない私の目。


貴方が見たら、笑うかな?


死んだ魚の目って、笑うかな?



いつも、笑わせてくれた。


いつも、側に居てくれた。


「ゆめちゃん、大丈夫??

休みなよ」



休めない、貴方が助かるまで寝れない。



「ずっと側に居てくれたの。

だから、今度は私がずっと側にいる。」


泣き過ぎて目が赤い………


まるで、ウサギみたい。


私は、手術室のランプを見つめた。


"どうか…………帰ってきて…………"



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