出逢えたのはーーー奇跡。
「俺なんか、不安にさせてた?」


不安になる。

ずっと幸せだったのは、俺だけなのか、と。

「ゆめ…………?」


ゆめは俯き泣いていた。


「私…ずっと言えなくてっ、悩んでて………


私ねーーーいるの」


「ん?何がいるって?」


聞こえなかった言葉を聞き返した。




「赤ちゃん………お腹の中に赤ちゃんいるの」




赤ちゃんーーー?



「やっぱり、ダメだよね。


赤ちゃ産んじゃダメだよねッッ。


けど私ね、産みたいの」



不安げに俯いたゆめを、抱き締めた。


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