出逢えたのはーーー奇跡。
「涙も、引っ込んだな。

キスは、泣かせてするもんじゃねー。


もう、キスされるなよ」


それって…………


「先生は、なんでキスしたの?」



不安に瞳が揺れる私の耳元で、囁く。


「わかんない?」


「言葉にしなきゃ分かんないよ。」


言葉にしていいのか、悩んだ。


俺は、ゆめの担任。


ゆめは、俺の生徒。


「……………」


「どうして、なんも言ってくれないの?

先生のバカ!!」



俺が考え過ぎてたかせいなのか、ゆめは俺の横をすり抜け走り抜ける。


「ゆめ、待てよ!ちがっ」


あーくそッッ。

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