出逢えたのはーーー奇跡。
「先生、佐倉いじめちゃ、メッ!!」


メッ!、って、可愛すぎだろう。

頬を膨らませ、いじけるゆめを抱き締めたくなる。


寸前で、我に返る。


浅野が居たからーー。



「悪かったよ。

ごめんなさい」


落ち込む俺。


「遅いし、探しに行こうかな」


立ち上がるゆめの手を掴んだ。


「俺が行くから。」


触れちゃいけない境界線が、あった気がした。



浅野とゆめを残して行くことに、不安はなかった。


そんなタイプじゃない浅野は。


だから、俺は、君を残して部屋を出た。


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