ドワリとインスタグラム
終章
その日は死者も出たせいで警察が来たり大変だった。
何時もなら電車で帰るのをタクシーを拾った。
疲れきっていたのだ。
運転手が私が乗るとお客さんドワリですねえと言って来た。
私は、え!なんですか?と悲鳴をあげそうになりながら聞いた。
運転手は空がどんよりですねと言ったんですよ。
おかしいんですか?
最近、おかしい人が居るからお客さんも失礼だけど、精神科にでもいった方が良いかもですよと運転手は笑った。
私は、心療内科です!!と叫んで降りますと言うと運転手は、これだから精神科にですよと言うと嫌な顔をして降ろしてくれた。
道に立つと雨がいきなり降ってきた。
全てドワリのせいだと私は、空を睨んだ。
スマホが鳴ったので取ると兄からだった。
三つ上の兄が慌てたように電話して来た。
私は、雨がなるべく当たらないように建物の軒下に入った。
「お前は、精神科だろう。うちの嫁がドワリがどうとか朝からおかしいんだよと何とかならないか。」
そう言って来たので私は、心療内科だからドワリについては専門外よと言うと電話を切った。
私は、雨に濡れながらドワリについて考えながら歩いたが何の解決にもならなかった。
またもやスマホが鳴ると母で、仕方なく雨に濡れながら出た。
「あなた、お兄ちゃんのお嫁さんの事を少しは診てあげないよ。精神科なんだから。」
と言われたので心療内科です!!と答えるとスマホを雨の中に投げた。
何故こうも精神科精神科と言われるのか分からないし、それにいちいち苛つく自分自身も情けなくなって涙が出そうになったが我慢した。
しまった!!好きな俳優のインスタグラムライブが今日は、久しぶりにあったのにスマホを捨ててしまった。
私は雨に濡れながら後悔したが、遅かった。
自分自身が精神科に行ってみるかと考えながら雨の中を歩いた。
ドワリドワリドワリドワリドワリドワリドワリドワリドワリドワリドワリドワリドワリドワリドワリドワリドワリドワリドワリドワリドワリ……
おわり