クールな次期社長と愛されオフィス
「本部長よろしくお願いします」
秘書室長は深々と頭を下げた。
秘書室に颯爽と入ってきた濃紺のスーツを着た男性。
入ってきた途端、ふわっと爽やかなオーデコロンの香りが鼻をかすめる。
この香り、どこかで匂ったことあるような・・・・・・。
後ろに立っていた秘書の一人が「素敵」と声を漏らした。
本部長、宇都宮 湊ねぇ。
私も本部長の姿をしっかりと見上げた。
え。
「この度、ニューヨーク支店海外食品事業開発部から海外事業新規開発本部本部長に就任しました宇都宮湊です。こちらでしばらくお世話になると思うのでよろしく」
思わず目を見開いた。
口も開いていたかもしれない。
そして、ばっちり宇都宮湊と目が合ってしまった。
彼の眉毛が一瞬ピクンと反応するも、特にそれ以上の表情の変化はないまま皆に軽く会釈をした。
彼は、最近店に紅茶を飲みに来なくなったあのイケメンで無愛想で、えらそうな物言いをするあの男性だった。
海外食品展開してたなら、そりゃ紅茶にも詳しいわけだ。
いやいや、そんな謎解きをしている場合じゃない。
額に変な汗がにじむ。
ばれたよね?
絶対ばれた。
だってばっちり目があって向こうも僅かながらに反応していたもの。
副業禁止のこの会社で私が副業しているの、絶対ばれた。
あー、なんてこと!!
しかも次期社長候補なんて!
絶対クビだ・・・・・・。
目の前がだんだん薄暗くなって体がよろける。
「大丈夫?」
小さい声でマリカ先輩が私の体を支えながら言った。
「は、はい。あまり大丈夫じゃありません」
そう答えた時、秘書室長が私の名前を呼んだ。
秘書室長は深々と頭を下げた。
秘書室に颯爽と入ってきた濃紺のスーツを着た男性。
入ってきた途端、ふわっと爽やかなオーデコロンの香りが鼻をかすめる。
この香り、どこかで匂ったことあるような・・・・・・。
後ろに立っていた秘書の一人が「素敵」と声を漏らした。
本部長、宇都宮 湊ねぇ。
私も本部長の姿をしっかりと見上げた。
え。
「この度、ニューヨーク支店海外食品事業開発部から海外事業新規開発本部本部長に就任しました宇都宮湊です。こちらでしばらくお世話になると思うのでよろしく」
思わず目を見開いた。
口も開いていたかもしれない。
そして、ばっちり宇都宮湊と目が合ってしまった。
彼の眉毛が一瞬ピクンと反応するも、特にそれ以上の表情の変化はないまま皆に軽く会釈をした。
彼は、最近店に紅茶を飲みに来なくなったあのイケメンで無愛想で、えらそうな物言いをするあの男性だった。
海外食品展開してたなら、そりゃ紅茶にも詳しいわけだ。
いやいや、そんな謎解きをしている場合じゃない。
額に変な汗がにじむ。
ばれたよね?
絶対ばれた。
だってばっちり目があって向こうも僅かながらに反応していたもの。
副業禁止のこの会社で私が副業しているの、絶対ばれた。
あー、なんてこと!!
しかも次期社長候補なんて!
絶対クビだ・・・・・・。
目の前がだんだん薄暗くなって体がよろける。
「大丈夫?」
小さい声でマリカ先輩が私の体を支えながら言った。
「は、はい。あまり大丈夫じゃありません」
そう答えた時、秘書室長が私の名前を呼んだ。