クールな次期社長と愛されオフィス
経験したことのないそんなおもてなしに圧倒されながらも必死に食べている私を見て部長はくすっと笑う。
「どうだ。堂島の口に合ったか?」
「え?あ、っていうか合うも何も、こんな素晴らしいお料理はどれも初めてで感動しています!」
「そうか。ならよかった」
「あの、このお刺身、すごくおいしいんですけど、何ですか?」
信じられないくらい脂ののった白身のお刺身を指刺す。
「これは、のどぐろだ」
「の、のどぐろ?」
これが噂ののどぐろだったんだ。
焼いたものも食べたことないのに、いきなりお刺身だなんて!
贅沢すぎてそのお皿を前に目を丸くして箸も止まってしまう。
部長は、そんな私を見て吹き出した。
「そこまで驚かなくてもいいんじゃないか?」
「だって、のどぐろのお刺身なんて、しかもこんな新鮮でおいしいもの、一生に一度食べれるかどうかですよ」
「のどぐろくらい、俺がいつでも食べさせてやるよ」
そう言いながら、部長は目を細めて笑った。
いつでも食べさせてくれる?
さらっと言った言葉に、自分の気持ちが置いて行かれる。
私、さっきからずっと部長に遊ばれてるのかな。
きっと私みたいな人間、部長の回りにはいないから物珍しくてからかいがいがあるだけなんだわ。
部長に聞こえないように小さく息を吐く。
全てのお料理を食べ終えて、私達は料亭を後にした。
駐車場は相変わらず部長の車だけがポツンと置いてあり、その助手席に乗る。
車が動き出したと同時に、今日の緊張疲れが一気に私を襲ったのか、心地よい揺れと車の革のいい香りに包まれて、いつのまにかウトウトしてきた。
こんなところで寝ちゃ部長に失礼だ!と何度も自分の太ももをつねるも私の瞼は錘を付けられたみたいに重くなり穏やかな色が重なる眠りの世界が私を呼んでいた。
そしてそのままその世界へ引きずられていってしまう・・・。
だめなのに。ね、むい。
「どうだ。堂島の口に合ったか?」
「え?あ、っていうか合うも何も、こんな素晴らしいお料理はどれも初めてで感動しています!」
「そうか。ならよかった」
「あの、このお刺身、すごくおいしいんですけど、何ですか?」
信じられないくらい脂ののった白身のお刺身を指刺す。
「これは、のどぐろだ」
「の、のどぐろ?」
これが噂ののどぐろだったんだ。
焼いたものも食べたことないのに、いきなりお刺身だなんて!
贅沢すぎてそのお皿を前に目を丸くして箸も止まってしまう。
部長は、そんな私を見て吹き出した。
「そこまで驚かなくてもいいんじゃないか?」
「だって、のどぐろのお刺身なんて、しかもこんな新鮮でおいしいもの、一生に一度食べれるかどうかですよ」
「のどぐろくらい、俺がいつでも食べさせてやるよ」
そう言いながら、部長は目を細めて笑った。
いつでも食べさせてくれる?
さらっと言った言葉に、自分の気持ちが置いて行かれる。
私、さっきからずっと部長に遊ばれてるのかな。
きっと私みたいな人間、部長の回りにはいないから物珍しくてからかいがいがあるだけなんだわ。
部長に聞こえないように小さく息を吐く。
全てのお料理を食べ終えて、私達は料亭を後にした。
駐車場は相変わらず部長の車だけがポツンと置いてあり、その助手席に乗る。
車が動き出したと同時に、今日の緊張疲れが一気に私を襲ったのか、心地よい揺れと車の革のいい香りに包まれて、いつのまにかウトウトしてきた。
こんなところで寝ちゃ部長に失礼だ!と何度も自分の太ももをつねるも私の瞼は錘を付けられたみたいに重くなり穏やかな色が重なる眠りの世界が私を呼んでいた。
そしてそのままその世界へ引きずられていってしまう・・・。
だめなのに。ね、むい。