クールな次期社長と愛されオフィス
「あと、俺がアコに課しているブレンドティ開発だけど」

「あ、それもがんばります」

部長の顔を見上げながら答える。

「もし、アコが世界に一つしかないオリジナルブレンドティを作ることに成功したら、俺の新規プロジェクトのジャパニーズフードショップに置かせてほしい」

「え?ニューヨークの?」

「ああ、まずニューヨーク一号店に」

信じられない!

自分の作ったブレンドティが海外のショップに並ぶなんて!

感動で泣きそうになる。

「おいおい、喜ぶのはまだ早いぞ。納得いくブレンドティを作るのに成功したら、の話だ」

部長は優しく笑った。

だけど、それは今の私には何よりも励みになる言葉だった。

「そんな泣きそうな顔されたら俺はどうすればいい?」

部長まで泣きそうな目で私を見つめると、更に強く抱き寄せた。

こんなに幸せな気持ちで満たされることってあるんだろうか。

あまりにも幸せすぎてこの先ずっと続くのがふと心配になるくらいに。

いつか、お互いの夢が叶った時、今みたいにそばにいて喜び合える存在でありたい。

そんなことを考えるのもおこがましいかもしれないけれど、願わずにはいられないくらいに私は部長に惹かれている。

もう自分の気持ちを止められないくらいに。

部長のことが好き。

気がついたら、私は部長の頬にキスをしていた。

部長は驚いた顔で私を見返す。

わ、わ、恥ずかしい。

衝動的に自分がしてしまったことに動揺する。

思わず部長から逃げ出そうとしたら、部長がそれを制した。

「アコ。もう我慢できないかもしれない」

部長は潤んだ瞳でそう言うと、なんの激しく唇を合わせてきた。

身も心もとろけるような甘いキスに私も必死に答える。

激しく部長の唇に塞がれながら、そのままリビングの奧にある寝室のベッドに倒れ込んだ。

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