クールな次期社長と愛されオフィス
長い廊下を進んだ先の社長室に足早に向かった。
ノックをした後、「失礼します」と言うと、中から「誰だ?」と社長の声が聞こえた。
「秘書の堂島です」
一呼吸置いて答える。
「入れ」
わずかながらでも湊と血が繋がってるとは到底思えないような品のない横柄な声が響いた。
扉をゆっくりと開く。
一礼し顔を上げると、社長はデスクの前で新聞を広げて私にはまるで関心なさそうな顔で私を一瞥した。
緊張で足がもつれそうになりながら、なんとか部屋に入る。
扉の前で立ちつくしていると、社長は私の方を見もせずに「紅茶を淹れてくれ」と言った。
「こ、紅茶ですか?」
「ああ、君はとてもおいしい紅茶を淹れると湊から聞いている」
湊が?
そんな話、社長にするのかしら。
不審に思いながらも、「はい」と答え社長室の脇にある給湯室に入る。
さすがに社長の給湯室とだけあって、珈琲も紅茶もかなりの種類が揃えられていた。
給湯室から顔を出し、「社長はどのような紅茶がお好みですか?」と尋ねてみた。
「何でもいい。一番うまいやつをおいしく淹れてくれれば」
相変わらず愛想のない表情と声で社長は答える。
紅茶は、一番うまいとかそんな単純なものではないのに。
社長の好みがわからなければ、とりあえず一番無難なダージリンでいいか。
湯を沸かし、ポットにダージリンの葉を適量入れる。
いつものように、紅茶の一番おいしく出る時間蒸らし、ティカップに注いだ。
ミルクと砂糖は脇に添える。
いちいち聞くのも不愉快になるだけだったから。
ノックをした後、「失礼します」と言うと、中から「誰だ?」と社長の声が聞こえた。
「秘書の堂島です」
一呼吸置いて答える。
「入れ」
わずかながらでも湊と血が繋がってるとは到底思えないような品のない横柄な声が響いた。
扉をゆっくりと開く。
一礼し顔を上げると、社長はデスクの前で新聞を広げて私にはまるで関心なさそうな顔で私を一瞥した。
緊張で足がもつれそうになりながら、なんとか部屋に入る。
扉の前で立ちつくしていると、社長は私の方を見もせずに「紅茶を淹れてくれ」と言った。
「こ、紅茶ですか?」
「ああ、君はとてもおいしい紅茶を淹れると湊から聞いている」
湊が?
そんな話、社長にするのかしら。
不審に思いながらも、「はい」と答え社長室の脇にある給湯室に入る。
さすがに社長の給湯室とだけあって、珈琲も紅茶もかなりの種類が揃えられていた。
給湯室から顔を出し、「社長はどのような紅茶がお好みですか?」と尋ねてみた。
「何でもいい。一番うまいやつをおいしく淹れてくれれば」
相変わらず愛想のない表情と声で社長は答える。
紅茶は、一番うまいとかそんな単純なものではないのに。
社長の好みがわからなければ、とりあえず一番無難なダージリンでいいか。
湯を沸かし、ポットにダージリンの葉を適量入れる。
いつものように、紅茶の一番おいしく出る時間蒸らし、ティカップに注いだ。
ミルクと砂糖は脇に添える。
いちいち聞くのも不愉快になるだけだったから。