秘める二人の、叶わぬ恋の進め方。
気づいた時には遅かった。
伝えるには、
手を伸ばすにはもう距離が近すぎる。
‥それでも一度だけ高校時代に想いを伝えた事があったが、見事に玉砕した。
多分ものすごく悩ませて困らせた。
正直、若菜にあんな顔をさせた事を今でも後悔してる。
もう随分前の事だし、
忘れっぽい若菜の事だから覚えられていないかもしれないけれど。
想いが届く事はもう願わない。
手を伸ばす事も諦めて、好意を寄せられた女とも何度か付き合った。
ただ、いつも想われてる気がしないだとか気持ちが釣り合ってないだとか似たような理由で振られたり、冷めていると泣かれてばかりだった。
毎回、顔に水をかけられているような気持ちになった。
一体、いつになったら若菜を忘れられる?
その答えは出ないまま大人になった。