秘める二人の、叶わぬ恋の進め方。
「そうだったんだね。柊ちゃんが女の人の事そういう風に言うの、初めてだね」
心底嬉そうな顔をする若菜。
初めてって─‥。
「別にそんなんじゃ‥」
「だっていつも柊ちゃんのお付き合いしてる彼女さん、どんな人なの?って聞いても、あぁとかうんとか、ひどい時には、女だよ、なんて言ってたよ」
「‥‥‥‥‥。」
‥‥それは振られても仕方がなかった。
反省すると同時に、若菜に喜ばれるのは少しキツい。
「ごめん、俺疲れたからちょっと寝るな」
そう言って近くのソファーにガッと寝そべった。
「分かった。夜ご飯になったら起こすね」
「うん」
大して疲れていた訳でもなかったが、
横になって目を閉じる。
─しばらくしてから、
体に毛布をかけられたのが分かった。