秘める二人の、叶わぬ恋の進め方。
――――─‥。
若菜に想いを伝えて振られたのは、
確か、高校一年の夏。
その日は、俺の家に幼い頃から仲の良かった悠登が遊びに来ていた。
「おい柊ー、お前んち最高だな。
いっつも家政婦さんがうまいお菓子だしてくれるなんてな!」
「お前もしかしてそれ目あてか?」
「半々だよ」
いたずらに笑う悠登をどついて突っ込んだ。
悠登がごめんごめんと言って笑う。
「あっ、そういえばここにくるまでに若菜ちゃんとすれ違ったぞ」
「若菜と?」
若菜とは幼なじみだが、家がそこまで近い訳でも、かといって遠い訳でもなかった。
まぁ小さい頃に事務所で知り合ってから遊び場は事務所の部屋だったりしたから、近くなくても困ってはなかった。
まぁアイツはその頃から根本的な所はあんま変わってないな。