秘める二人の、叶わぬ恋の進め方。

香月橋まで走りながら、頭の中はずっと忙しかった。

まだ高一じゃない、もう高一なんだ。
そういう事があったっておかしくない。
クラスにもそういう奴らはいる。

二人は付き合ってる。
若菜がそれを望んでいないなんて、壊されるなんて何をもって言える?

俺の中で若菜はいつまでも小さくて、
妹みたいなものだった。

─‥でも、
若菜はもういつまでも子供じゃない。



──苦しい。

息が切れた時には橋にたどり着いていた。
荒い呼吸を繰り返し、膝に手をつく。

ここからどうすればいい?

二人が居る場所なんて知らないし、
もし知っていたとしても乗り込める筋合いなんてない。


いつまでも幼なじみぶって兄貴面して、

そうやってずっと、
自分を騙してきたんじゃないのか?


俺は――‥


< 115 / 276 >

この作品をシェア

pagetop