秘める二人の、叶わぬ恋の進め方。
堪らなかった。
震える若菜を落ち着かせるように、
俺もその小さな体に腕を回した。
俺に抱き締め返され、
一瞬だけビクっとした若菜の体からだんだん震えが消えていくのが分かる。
押し殺すような若菜の嗚咽が耳を刺す。
その声を聞いた時、
抑えきれない独占欲に襲われた。
──‥もう誰にも触らせない。
「柊ちゃん、痛い‥‥」
若菜のそんな蝌の泣くような声でハッと我に帰った。
いつの間にか強く抱き締めていた腕を慌てて解く。
‥何やってんだ俺。
力だって加減しないと、こんな華奢な体はすぐに壊れる。
俺は男で、若菜はもう女だ。
「‥悪い」
若菜が、真っ赤になった目で俺を見上げながら首をふる。
「ごめ‥‥私、抱きついたりして‥‥」