秘める二人の、叶わぬ恋の進め方。

思わず口から出てしまいそうになった言葉を飲み込む。

デートかデートじゃないかなんて、
そんな事はあんまり重要じゃないのかもしれない。

柊ちゃんは照れ屋さんだ。

ちょっと心配してたけど、なんだか二人は上手くいきそうな予感がする。

‥‥少しだけ、ちょっぴり寂しいような気持ちには蓋をしなきゃ。

「プランはもう決まってるんですか?」

敢えてデートプランとは言わずにそう尋ねると、柊ちゃんが黙った。

「今決めた。仕事持ち込むようで悪いけど、この舞台でいいよな?」

「すごくいいと思いますよ」

「言っとくけどデートじゃないからな」

「わかってますって」

そう言ってクスっとする。

舞台だったら、必然的に舞台の感想なんかで話も盛り上がるだろうし、話題につまる心配もなさそう。

ベタな水族館や遊園地より、二人らしくていいなと思った。
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