秘める二人の、叶わぬ恋の進め方。

「じゃあ私、日曜日の朝は気合い入れて起こしますね」

言ってからハッとした。
あと少ししたら家を出ていくんだし、いつまでも私が朝柊ちゃんを起こし続けられる訳じゃない。

「‥‥頼む」

そう言って柊ちゃんが苦笑する。

‥‥柊ちゃんが一人でも起きることができるように、大きな目覚まし時計でも買おう。

柊ちゃんの寝付きのよさと寝起きの悪さは筋金入りだ。

新婚早々今宵さんに迷惑をかけてしまうのは、私としても心が痛い。


「最上社長、日曜日は別として、少しずつ目覚まし時計で朝起きる練習を始めたほうがいいです」

「いつもお前が起こしてくれてるんだから必要ないだろ」

「‥いつまでもそうできる訳じゃないです」

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