秘める二人の、叶わぬ恋の進め方。

そう言う声が何故かほんの少し震えた。

柊ちゃんが何かを言いかけて目を反らす。


――いつまでもそうできる訳じゃない。

自分で言っておいて、私もそんな当たり前のことにずっと気がつかなかった。
勝手に、これからもずっと柊ちゃんと一緒にいるつもりでいたんだ。

そんな事、あり得ないのに。

いつかはお互いに結婚して─‥って、あれ?



「わ、私も結婚できるように頑張ります」

「は‥‥?」


どうして気がつかなかったんだろう。
焦ってなかったんだろう。
私、もう28歳になったのにまだ独身だ。


ど、どうしよう。
これって結構やばいのでは‥。

今さらそんな危機感を覚えた所で、
一週間はあっという間にすぎていった。

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