秘める二人の、叶わぬ恋の進め方。
そうして迎えた日曜日。
いつものように柊ちゃんを起こして。
いつもの寝癖を直すだけのセットじゃなくて、髪の毛も私が少しいじった。
柊ちゃんは身長もあってスタイルがいいからロングコートがおそろしいほど似合う。
服装はいたってシンプルなはずなのに、柊ちゃんが着ると何故かかっこよく決まる。
玄関先に立つ柊ちゃんは、なんだかいつもよりずっと大人っぽく見えた。
「あ、柊ちゃん、今日は途中から雨が降るかもしれないって言ってたよ」
そう言って傘を渡した。
「ありがとな。濡れるとこだった」
「今宵さんも忘れてたら相合い傘だね」
「そうだな」
そう言って柊ちゃんが面白くない反応を返す。
もうちょっと何か初々しい反応とかあってもいいと思うんだけどなぁ。