秘める二人の、叶わぬ恋の進め方。
側にあったクッションを、寝転んだまま
ぎゅっと抱き締める。
‥‥‥‥何だか寂しいな。
「‥‥って、そんな事思っちゃ駄目」
ムクッと起き上がって、側にあったリモコンと手にとりテレビの電源を入れる。
数秒して立ち上がったテレビからは、ちょうど好きなバラエティ番組が流れていた。
嬉しくなって、テレビの前に正座する。
画面の向こうで、明るくておかしいトークが関西弁で飛び交っていた。
「‥‥‥‥‥‥。」
話は面白い。
番組自体は通常運転。
だけどいつもよりつまらない。
笑いたくてつけたテレビのはずなのに。
―――柊ちゃんがいないから‥‥?
自問に自答するのを避けるように小さく頭を振る。
違うよ、今までだってこんな事はたくさんあったはず。
柊ちゃんがいないこの部屋で一人で過ごしたことなんて沢山あった。