秘める二人の、叶わぬ恋の進め方。
よし、柊ちゃんの目覚まし時計を買いに行こう。それがいい。
思い立ってからの行動は速かった。
すぐに部屋着からシンプルなセーターとパンツに着替え、暖かなコートを羽織る。
ちょっと迷って、やっぱりマフラーも巻いていく事にした。
財布と携帯だけを鞄につめ、きちんと暖房を切ってから玄関を出た。
暖かい部屋の中にいて麻痺していたが、
外に出た瞬間痛いような寒さにさされてぶるっと体を震わせる。
「さ、寒い‥‥!」
そう呟いた口からは、白い息が漏れた。
うぅ、クリスマスもまだなのに。
いつも外出する時は、柊ちゃんに車で送ってもらうのが当たり前だった。
だが今日はそうもいかない。
それは、きっとこれからも。
この寒い道を徒歩で、と考えると少し辛かったが、近くの家具屋までは、ここからそう遠くないのが幸いだった。
免許、今からでもとった方がいいよね‥。
そんなことを思いながら歩き出す。