秘める二人の、叶わぬ恋の進め方。
あ‥。この車に乗っている方もこの家具屋さんへのお客さんかな。
だとしたら今日は定休日だ。
車からはドアにかかったプレートが見えないのかもしれない。
走りだそうとしない車にそう戸惑っていると、車のドアが空いて運転席から男の人が傘をさして降りてきた。
わ、モデルさんみたいでかっこいいなぁ。
って‥‥‥‥あれっ?
何か見覚えがあると思ったその人に気がついて驚く。
車から降りてきたのは海斗さんだった。
休日だから当たり前といえば当たり前なのだが、スーツではなく私服だったからすぐには気がつかなかった。
シンプルなジャケットとパンツはそのスラっとしたスタイルにお洒落に映えている。
「海斗さん‥‥?」
ぽかんとしてその名前を呼ぶと、
こちらに歩いてきた海斗さんに、さしていた傘を差し出された。