秘める二人の、叶わぬ恋の進め方。
「大丈夫ですか?よかったら送りますよ」
「ええっ、送るって、家具屋さんにお買い物にいらしたんじゃ‥」
「違いますよ。
たまたま泣きながら雨の中に傘もなしに飛び込みそうな九条さんを見かけたので」
「泣いてはないです!」
そう小さく叫びながら、
あの悶々としていた一部始終を海斗さんに見られていたと思うと、恥ずかしくて耳まで真っ赤になった。
海斗さんにクスっと笑われて、ますます縮こまる。
「あの、でもやっぱり送って頂くなんて申し訳ないです。家まで本当に近いので‥」
「よかったら、
この後一緒に食事でもどうですか?」
「へっ?」
微妙に会話に噛み合っていない返事とその提案に驚いて、思わずすっとんきょんな声を上げてしまった。